断罪者


礼の母親は私に携帯電話を渡し、頭を下げた。私も頭を深々と下げ、礼の携帯電話を借りた。



次は前原の自宅だ。確か彼の自宅は、学校の反対側にある新興住宅地にある。

私には礼が以前、そんな事を言っていた記憶があった。


私は礼の携帯電話をポケットに大切に入れると、再び自転車に跨がった。



久し振りに自転車に乗っている為か、学校の前を通り過ぎた辺りからふくらはぎが張ってきた。

私は喉の渇きを潤し休憩を取る為に、途中でコンビニに立ち寄った。


スポーツドリンクを購入した時に時計を見ると、もう13時を過ぎ様としていた。

「日が暮れるまでには、十分帰れそう」

私はコンビニの駐車場でペットボトルのキャップを開け、スポーツドリンクを流し込んだ。


コンビニ前の道路の先には、山の斜面に大きな新興住宅地が造成されていた。

多分、あの住宅団地の事を言っていたのだろう。


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