断罪者


その後10分程沙菜と話し合った私は、病室を出ると礼の自宅に向かった。


おそらく礼の両親は、まだ持ち物を処分せず、そのままの状態にしている筈だ。

私は急いで病院の外に出ると、駐輪場に停めていた自転車に跨がった。


それにしても、なぜ私は沙菜と同じ画面を見ても何ともなかったのだろう?

占いサイトが原因というのは、私達の思い過ごしなのだろうか…



礼の自宅は、自分の家の方に戻り、コンビニのある交差点を真っ直ぐに行けば5分程で到着する。

私は信号が青に変わると、コンビニの前を通過し、住宅街へと入って行った。


暫く進んで行くと、右側に薄いグレーの外壁のマンションが見えてきた。

あの鉄筋コンクリート造の近代的なマンションが、礼の自宅だ。表に礼の家の車が停まっているところを見ると、両親は在宅している様だ。


私はマンションの入口に自転車を停め、エントランスに設置されたチャイムを鳴らした。


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