断罪者


その後、私は学校に行く気にもなれず、仮病を使って休んでいた。


「知花――!!
今日はもう大丈夫でしょ?気持ちは分かるけど、学校に行きなさい!!」

階下から声がして、私は布団の中で無反応を決め込んだ。

母は私の仮病を見抜いているらしい。それでも容認してくれているのは、私の喪失感をある程度分かってくれているのだ。


学校を休んで3日。そろそろ出席しなければならない。沙菜からメール1つない。それも気になる…

喜怒哀楽が激しい沙菜は、憔悴し切った様子だった。


「…――そろそろ行こうか」

私は被っていた布団を払いのけると、ベッドに座った。


久し振りに袖を通す制服はあの日の線香の匂いがして、嫌でも礼の事を思い出した。

私はぐっと涙腺に力を入れると、顔を上げてゆっくりと階段を下りた。


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