翌日の放課後――
私は沙菜が搬送された、中井川総合病院に向かった。
中井川総合病院は駅を通り過ぎ、10分程歩いた場所にある、この街で唯一の救急病院だ。
私は正面玄関から病院の建物に入ると、左側にある総合受付に向かった。
そこで確認したところ、沙菜は3階の外科病棟に入院している事が分かった。
案内されたエレベーターに行き、3階へと進む。
私は沙菜の精神状態や怪我の様子をが分からないだけに、少し緊張して、いつめより鼓動が速くなった。
エレベーターを降りると、私はそこで声を掛けられた。
「知花ちゃん」
その声に顔を上げると、そこには沙菜の母親が疲れた表情で立っていた。
「おばさん…」
私は沙菜の母親に連れられて、ナースステーションの目の前にある病室に案内された。
「沙菜……」
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