沙菜が生きていた事に安堵したが、同時に疑問が大きく膨らんできた。
あの時、車道に飛び出そうとしていた沙菜は、明らかにいつもと違っていた。
私の声も聞こえていない様だったし、力も有り得ない程に強かった。
そもそも自殺なのか?
礼の自殺を目の当たりにした沙菜が、自殺するなんて考えられない。
でも、あの場所にいたのは私と沙菜の2人だけだ…
私はベッドの上に寝転んで考えていたが、私の疑問に答えは見付からなかった。
母の話では、沙菜は集中治療室から明日にでももう一般病棟に移るという事だった。
私が憶測で真相を考えるよりも、学校の帰りに病院に寄りに沙菜の元に行き、直接本人に聞いてみた方が良い。
私は余計な事を考えず、早めに睡眠を取ることにした。
朝から緊張していた為、私の疲労も限界にきていた…
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