私は2階の自室に上がると、ベッドに倒れ込み顔を埋めて泣いた。
独りになる事が、こんなに怖くて心細いなんて、思ってもいなかった。
それにあの時、沙菜を止める事が出来なかった自分が悔しくて仕方がなかった。
それからどれ程の時間が過ぎたのか、不意に部屋の扉をノックする音が聞こえた。
でも、それに返事をする気力は、私には無かった。
「知花…
今、沙菜ちゃんのお母さんから電話があってね…
沙菜ちゃん、助かったんだって」
助かった?
私は直ぐに立ち上がり、扉に向かって急いだ。そして扉を開けると、そこに立っていた母に詰め寄った。
「助かったって本当!?」
「左腕と肋骨が何本か折れていて、全身に裂傷と打撲があるけど、生命には別状ないって」
私は言葉も無く、その場で泣き崩れた。でも今度は悲しみではなく、嬉しくて涙が溢れてきたのだ。
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