警察官の何気無い言葉に、胸の奥がズキリと痛んだ。

私は日が暮れて真っ暗になっている事もあり、警察官の勧めに従いパトカーで自宅まで送ってもらった。


自宅前にパトカーが停まり、驚いた母が玄関から慌てて飛び出してきた。

神妙な面持ちで、私の横に立っている警察官に話し掛けた。


「あ、あの…知花が何か……」

「いえ、下校途中に一緒に帰宅していた女の子が、車道に飛び出したものですから…
お嬢さんには、全く関係の無い事です」

警察官はそう説明すると、直ぐにパトカーに乗って立ち去った。


私と母は、玄関に並ぶ様にして入った。

「知花、一体どういう事?一緒に帰宅していた女の子が、車道に飛び出したって…

まさか、沙菜ちゃん?」


帰宅して緊張の糸が切れたのか、沙菜の名前を聞いた途端に私の目から大粒の涙が溢れてきた。

小学校の時からずっと3人だったのに、私は1人ぼっちになってしまった――


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