…――救急車が走り去った後の歩道で呆然と立ち尽くす知花に、声を掛けてくる人がいた。


「君が現場に一緒にいた女子高生だね?」

顔を上げ、声のする方を向くと、そこには2人の警察官が立っていた。

「はい…」

「名前は?」

「栗原 知花です」


事務的に質問をする警察官に、私は聞かれるまま機械的に返答をした。

しかし、一通り状況を確認した後の言葉に、私は過剰なまでに反応した。


「それで、何が原因で自殺しようとしたのか心当たりはある?」

「自殺……
いえ、あれは自殺ではありません!!」

警察官は私の返答に、苦笑いしながら首を傾げた。


「あのね、じゃあ君が道路に突き飛ばしたって言うの?

現場を見ていた人がいるんだよ。君が止めるのも聞かず、道路に飛び出した所をね。

まあ友達だからといって、何でも分かる訳ではないか…」


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