「それで、その占いサイトは?」
「もうメールを削除していて、分からなかった」
私は緊張していた身体から力が抜け、身を乗り出していた体勢から脱力して元の位置に戻った。
自動添付される占いサイト…
まだ断定は出来ないが、店主が全身全霊を傾けて仕掛けた罠は、これである確率が高い。
でも、もしそうだとしたら、自動的に行き渡るURLと誰もが気軽にアクセスしてしまう占いサイトは、最悪の組み合わせと言える…
「千里…
分かっているとは思うが、この件はかなり危険だ。
万一この占いサイトのURLを見付けても、絶対にアクセスするんじゃないぞ」
兄はそう言うと立ち上がり、真剣な表情で考え事をしながらリビングを出て行った。
それはわかってる…
よく分かってはいるけど、あの現場に居合わせた者としては、やはり知らん顔は出来ない。
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