そもそも、あの時に送信されたメールの内容も分からないし、一体何人に届いたのかも不明だ。

それに、何を狙っているのかも…


「でも、あの人が何かするなら、大量に人が死ぬ筈だから必ず事件になると思うんだよね。
最近、そんな事件なんて聞かないし」

「まあまあ千里。折角のコーヒーが冷めちゃうから、先に飲めば?」

「うん…」

私はコーヒーカップを持つと、口元に運んだ。すっかり冷めてしまい、砂糖の味だけが酷く濃い感じた。


やはり、嫌な予感が消えない…

あの店主が、自分の生命を犠牲にしてまで最後の仕掛けを実行したのだ。失敗などまず有り得ないし、おそらく今までにない程の人が生命を落とすに違いない。


もし惨劇が起こった時、その原因が韻だと警察にいくら伝えても全く信じてはくれないだろう。

その時は、私達で止めるしかない…


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