「千里… ずっと、そんな事を考えてたの?」 「うん。 ネットで韻の事を調べている時に、漢詩の事について詳しくなったしね」 その時―― 不意に、店主が大声で笑った。私達は驚いて、店主に注目した。 「まさか、お前達の様な者に、パスワードが見破られようとはな。 春望か…懐かしい。 国破れて山河在り 城春にして草木深し 時に感じては 花にも涙を灌ぎ 別れを恨んで 鳥にも心を驚かす 烽火 三月に連なり 家書 万金に抵る 白頭掻けば更に短く 渾て簪に勝えざらん と欲す 杜甫か……」 .