断罪者


「私も実際にこの目で確認した訳ではないので、100%真実なのかどうかは分かりません。

ですが、聞いた話は間違いなく、お話しする事が出来ます。


そうあれは、昭和20年3月の事だったそうです――


夫は徴兵されたものの病弱で戦地には派遣されず、作戦本部の雑用係として働いていました。

ある日、突然上官より、若い女性と当時まだ8歳だった少女の世話をする様に命令されました。

詳細は知らされなかったものの、若い女性と少女は別々に軟禁されており、各々の世話をする事は大変だったそうです。


そして、それから3ヶ月後のある日、ようやく上官から、言葉を使った暗殺計画の事を知らされ、その若い女性が文章を書いている人物であるという事が、ようやく分かりました。

少女が人質として、捕らえられているという事も…


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