二階堂さんの御宅を後にし、東京駅まで戻ってきた時には、三春行きの最終電車は行った後だった。

それもその筈で、既に23時をだいぶ過ぎていた。

私達は仕方なく各々の自宅に電話し、東京から帰れなくなった事を告げ、近くのビジネスホテルに泊まる事にした。


それにしても、先程の二階堂さんの話には驚いた。

金山親子の面倒を見ていたという坂口 英二郎さんは、三春市の隣街である中井川市に住んでいたのだ。

まさか、こんにな近くに住んでいるとは思いもしなかった。

もしかすると、店主が中井川市の隣街に住んでいる事と、何か関係があるのかも知れない。


まだ何も分からないままなのに、残りは明日1日だけだ。

明日はどうしても、パスワードを入力しなければならない。



この夜、肉体的にも精神的にも疲れ果てていたが、考え始めると眠れなくなってしまった。


.