「他に、この事に関して詳しく知っている人はいないんですか?」


二階堂さんは少し考えて、名前を挙げた。

「詳しく知っているとすれば、金山さんと娘さんの世話をしていた坂口さんか?

まあ、わしより年上だったから、もう生きていないかも知れないがが…」

「その片の連絡先とかは、分かりませんか?」


「確か、名簿があったと思うが…」

そう言うと、二階堂さんは奥の部屋へと入っていった。


世話をしていた人物となれば、かなり親しく接していたに違いない。

なぜ店主が生きているのか、知っている可能性は高い。


5分程待っていると、奥から黄ばんだ名簿を手にして出てきた。

「あったあった。
20年程前に、1度名簿を作った事があったんだ。

坂口…坂口…
ああ、坂口 英二郎。
書き写して帰るかい?」


私はその住所を見て、思わず声を出してしまう程に驚いた。


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