「言葉による暗殺計画は、結局失敗したんだが、計画を知る人間は軍関係者以外全員銃殺されたんだよ。
狂っていたとしか思えない…
文章を書いた女性も、関係ないその子供も、最終的には殺された」
え――
子供も殺された?
そんな馬鹿な…
現に店主は、つい最近まで生きていたのに。
「その文章を書いた人物というのは、金山 タズコさんですよね?」
二階堂さんは名前が出た事に驚き、私の方を見た。
「軍の最高機密だったのに…なぜ、その名前を知っているんだ?」
「い、いえ…
その金山 タズコさんの娘さんに会った事があるので」
二階堂さんは、天を仰いで呟いた。
「子供まで殺す事には、大半の人間が反対していた。もし生きていたなら、気持ち的にどんなに救われるか…」
しかし、銃殺された筈の店主が、なぜ生きていたのだろうか?
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