「は?
まあ、それくらいなら、直ぐに分かると思いますけど…
では、分かり次第連絡しますね」
「無理を言ってすいませんが、なるべく早く御願いします」
私達に元の軍人を調べる事など、絶対に無理だ。ここは無理を通してでも、調べてもらはなければ…
もう私達に出来る事は、放送時間ギリギリまで、店主に関する情報を集める事だけだ。
私は電話を切ると、東京駅に向かう為に愛美と共に大通りへと歩き始めた。
大通りに出た私達は、早速走ってきたタクシーを止めて東京駅に向かった。
土地勘が全く無い私達は、ひとまず起点となる場所まで戻らなければ、位置も何も分からなかったのだ。
「でもさ千里、軍人なんて探してどうすんの?」
運転手側の後部座席に座っている愛美が、私の方を向いて尋ねた。
「どうって、店主が人質になってたんだから、何か分かる事があるかも知れないし」
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