私は唾を飲み込んで、坪島さんの次の言葉を待った。
「貴女達が言ったあの古本屋の店主…実は、金山 チズ子という、有名な漢詩人なんですよ!!」
はあ?
「しかも、日本の至宝と呼ばれ、有名大学の講師をしている朝比奈 節子さんと親交があるらしいんです!!」
「ふう…」
「どうしたんですか、溜め息なんて吐いて?
どうです、凄い情報でしょう!!
力になれないので、せめて情報だけで――」
「会ってきました」
「は?」
「今、朝比奈さんに会ってきたところです」
「何だ…そうだったんですか」
新しい情報かと思えば、私達の知っている事ばかりとは…
でも、私達があんなに苦労して調べた事を、東京にいて分かるなんて凄い情報力だ。
あ――…
「1つ御願いがあるんですが…
第二次世界大戦中に、諜報関連の部隊か総司令部にいた、存命の人を調べて頂けませんか?」
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