私達は予定通りに、東京駅に到着した。
東京駅は混雑していて、ただでさえ分からないのに、どこに行けば出口なのか迷子になった。
ようやく外に出た時には、東京駅に到着して30分以上が過ぎていた。
「まったく、愛美が適当な方向に歩いて行くから、こんな事になったんでしょ」
「え～、千里も賛成したじゃん」
「そ、それは、あんたが余りにも自信満々に言うから…
って、そんな事より、早く行かないと」
私達は駅前でタクシーに乗ると、電報に書かれていた住所を告げた。
運転手は住所を確認すると、直ぐに発車した。
朝比奈 節子さんは、一体どんな人なのだろうか？
私達の話を、聞いてくれれば良いが…
タクシーはビルの谷間を走り抜け、やがて住宅地へと入っていった。
周囲の住宅を見ると、結構裕福な人達が住んでいる事が分かる。
１時間近く走って、ようやくタクシーが停車した。
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