古物屋…
ここに来るのは、あの時以来2年振りだ。

殆ど野晒し状態の古いオフィスデスクや椅子は、微妙に品物が変わっても外観は変化がない。

私達はそんなリサイクル商品を避け、店内に入った。


「すいませ―ん!!」

店の奥に向かって呼び掛けると、奥にある座敷から店主が出てきた。

「はいはい、ちょっと待って下さいよ」

店主を見て、ようやく私はこの人だったと思い出した。しかし店主の方は、私を見ても一向に思い出す素振りも無かった。


「え―っと…
お嬢さん方は、どんな物を探しているんだい?」

「いえ、探し物ではなくて、少しお伺いしたい事がありまして。

先日亡くなられた、古本屋の方について…」


古物屋の店主は怪訝そうに眉をひそめたが、その時ようやく思い出した。

「ああ、あんたはあの時の…」


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