しかし、その静けさも長くは続かず、あちこちでヒソヒソと密談が始まり、瞬く間に元の状態に戻った。
信じられない。
クラスメイトが飛び下り自殺をしたというのに、それをネタにして笑い話にするなんて。
隣の席に座っている沙菜を見ると、私と同様に険しい表情で教室内を見渡していた。
沙菜も私と同じ気持ちの様だった。
その時――
近くの教室から甲高いガラスが割れる音がし、直ぐに何か重い物が地面に落ちる鈍い音がした。
まさか…
窓際の男子生徒が立ち上がって外を見た後、絶句して床に座り込んだ。
まさか――!?
「いやあぁぁ!!」
今度は窓際の女子生徒が叫び声を上げ、黒板の前を駆け抜けて廊下に飛び出した。
その光景を見ていた他のクラスメイト達が一斉に立ち上がり、窓の外を覗き込んだ。
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