「それで、放送はいつなんですか?
来週の火曜日とか…」
「来週?
うちの番組は、どこよりも情報が早いというのが売りなので、今週の火曜日ですよ」
「こ、今週…って、あと3日しかないじゃないですか」
私は男性スタッフの話を聞き、呆然とした。
まだ全く解決方法が分かっていないのに、あと3日後には放送されるなんて…
その時、少し離れた場所にいた撮影スタッフが、男性スタッフの名前を呼んだ。
「坪島、そろそろ移動するぞ―!!」
「はい!!
それでは、もし何か証拠が見付かれば、連絡して下さい。こちらでも、調べてみますが――」
坪島という男性スタッフはそう言うと、上着のポケットから名刺を出して私に渡した。
そして軽く頭を下げると、他のスタッフ達と合流し、テレビ局のワゴン車に乗り込んだ。
テレビ局のワゴン車はロータリーを半周すると、駅を離れて行った――
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