古本屋の店主は、私達の目の前でパソコンのキーボードを叩いた。
そして、送信を確認するとコンクリートの床に、カウンターの上からパソコンを落とした。
パソコンは激しい音ともにプラスチックの外装が砕け散り、剥き出しになったハードが床に転がった。
その衝撃でハードは粉々になり、各々が元の部品に変わった。
その様を見届けた店主は私達の方に向かって満面の笑みを浮かべ、ゆっくりと口を開いた。
「これで、私の怨みは晴らされる――…」
店主は細い目を見開き、私達の方を睨み付けたまま微動だにしなくなった。
私達はその一部始終を、止める事も出来ず呆然と眺めていた。
当然、この目の前で起きた出来事が、後々あの事件に繋がるとは知る由もなかった――
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