「――――――」

僕はハッとした。

今のは・・・

気が付けば元の光景を見ていた。

目の前には涙を流しながら眠る裂君・・・




間違いなく、今の夢に出てきたのは裂君だ。

剛さんが居た事からしたら恐らくは裂君の過去夢・・・



僕はそこで理解した。



裂君の両親が死んだわけ―――


裂君の右目に色素がないわけ―――



「ぅ・・・うぅ・・・」


震えた。

何たって初めての経験だった。


自ら、他人の思考を読んだのは・・・


「・・・ごめん・・・ごめん・・・裂・・・君・・・」


裂君には聞こえるはずもないのに僕はひたすら謝った。


僕は裂君の心に入り込んだ。


知られたくないかもしれない過去を読んだ―――




トモダチとして、最低だと自分で思った。