このRAINBOWで暮らすように初めて自分と同じ“子供”を見て僕は戸惑いと興味を抱いた―――


まあ、ホストクラブは子供とは無縁の場所・・・


僕みたいなのがウロチョロしている方が珍しい。


「・・・ん?」
そんな事を考えていると、その少年は僕の視線に気付いたのか、僕の方を見た。
「ねえ、オバちゃん、あそこに居る奴、誰?」
「Σお、オバ・・・」
「こら!?裂!?お前は・・・」
少年は僕の居る方向を指差してそう言う。
僕と変わらない歳の少年に“オバちゃん”と呼ばれたマスターは一瞬、顔つきが険しくなる。
そして、男性は更にオロオロしながら少年を叱る。
「って、秋人!?アンタ、いつの間に・・・」
「す、すみません、マスター・・・話し声が聞こえて・・・つい・・・」
僕は観念したかのように店内に入る。
マスターだけでなく、男性や少年も僕を見て驚いた表情を見せる。
「こ、子供・・・お前、いつの間に・・・」
「勘違いするな。コイツは・・・秋人は私の部下だ。間違っても私の子ではない。」
「わ、分かっている・・・」
男性に向かってそう言い切るマスター。
そして、素直に頷く男性。
その時、僕にはこの男性が何者なのかが“力”によって分かった。

『相変わらず、変わらない・・・離婚する前と変わらず、強気でプライドが高い・・・』

男性の“心の声”で分かった。

この人はマスターの元旦那さんって事が・・・

って、事はこの子は・・・?

そう思っていた矢先だった。

スタスタスタ・・・

僕が男性に気を取られている隙に少年は早歩きで僕に近づいた。
そして、思わぬ行為に出た。

ペタッ

「え!!!///」
「「あ・・・(汗)」」
マスターと男性の声が揃う。
そして、僕は一瞬、思考が止まった。
僕が正常な判断が出来ているのなら、間違いなく少年は僕の胸を触ってきたのだった。