ドキン…

ドキン…ドキン…



ギュッと強く瞑られていた瞳を、少しずつ開けた。


慶介は、どう思ったかな……



困った?


嬉しい?



……嬉しいと思ってくれてたらいいな。



そう思っていたあたしの予想はどれも外れていた。



ただ、あたしを見つめる慶介。

その表情は……



「け……慶介?」


「……ダメなんだ」


「え?」



ダメ……って…



「ダメってなに? あたし…なんかした? 慶介を怒らせるような事……だったら教えてよ…こんなのイヤだよ」



もう抑え切れなかった……

蓋をして、必死に隠していた気持ちが堰を切ったように溢れ出した。



どんどん視界が歪んでいく。

目の前に見えるのは、少しだけ上体を起こした慶介の姿。

目に少しかかっている前髪の隙間から、あたしを捕らえて離さない。



見透かされてる……





「あたし……慶介と……もっと…もっと……」








どうしよう……止まらない。