―――……で。
「なんでこうなるんですかッッ!!!」
赤色が気に入って借りたジープに乗って、あたしは大声を張り上げた。
「まぁまぁ。固い事言わずに…ね?」
「………」
運転席の慶介とルームミラー越しに目が合う。
慶介も、困ったように眉を下げた。
あたしは、慶介から助手席に視線を落とした。
そこには、昌さんの姿。
窓を全開にして、勢い良く車内に吹き込んでくる風に彼女の黒髪が大きく波打っている。
さらに、自分の隣り……
―――そう。
『彼』が座ってる。
唇を尖らせているあたしに気づいて、彼は視線だけをこちらに向けた。
そして、小さく腿の上で両手を合わせると「ごめんね」と言った。
「………」
ワナワナと震える手を握り締めて、あたしは大きく息を吐いた。
…おかしいでしょ!?
人の新婚旅行に同行して…さらに、人の旦那様の隣を陣取るなんて……
ありえないっつーーの!!!!



