慶介に劣らないその長身。
小さな顔に、目鼻立ちがはっきりしていて、まるでハーフのようだ。
彼は、驚いていたけどあたしと目が合うとその表情を緩めた。
「……昨日はあれから転ばなかった?」
「えぇ!? …あの…えと…」
そう言って、綺麗な顔を崩して笑う彼にあたしは一気に頬が熱くなるのを感じた。
ひえぇぇえ!!!
覚えてた!!!
そりゃそうか…あんなの忘れないか…
うぅ…恥ずかしいよぉ
あたしは、慌てて視線を手元に落とした。
昌さんの知り合いだったなんて…。
でも、昌さん…傷心旅って…
2人は…一体…
頭の中で、答えなんて出ない疑問がグルグル回ってる。
「葵ちゃん、今日はどこに行く予定?」
色んな考えが、浮かんでは消え…浮かんでは消えていたその時―――昌さんの声がしてあたしはハッとして顔を上げた。
いつの間にか同じテーブルに着いた昌さんが興味深々と言った顔であたしを見つめてる。
ドキン!
大きくて魅力的なその瞳に見つめられて、あたしの胸が跳ねた。
「え…と…今日はレンタカーして色々観光しようかと……」
口の中でモゴモゴと答えると、意味もなくグラスのストローを銜えた。
中身はオレンジジュース。
でも味なんてわからなかった。
そして、斜め前に座る『彼』をチラリと盗み見る。
「……」
彼は、ただ黙ってサラダを口に運んでいた。
……?
この2人の雰囲気はなんなんだろう?



