あたしはそんな慶介から視線を落とすと「はあぁ」と大きな溜め息をついた。



そうなんだ…

妙に納得しちゃうから、自分が自分で嫌になる。



あたし、良く言って中の中。
背だって人並みだし、胸もないし……

幼児体型の代表って言ってもいいくらい。



でもでも!!
それならそうと、言ってくれればよかったのに…


でもでもでも…
言われたら凹む~~



「…おい……葵?」

「はッ はい!!」



驚いて顔を上げると、眉間にシワを寄せる慶介と視線がぶつかった。



「…どうせ、また変な妄想してんだろ」



うッ!!

なによ!慶介がいけないんでしょ?



「…………別にぃ」



「ふーん」と呆れたような優しい笑みを零す慶介に、あたしは口を尖らせて見せた。



だから、どうしていつもそうなの?
慶介はあたしの事を想って、ドキドキしたりする事があるのかな…

なんだか急に寂しくなってきた…



「で?何考えてた?」なんて面白そうに言う慶介の視線から逃れるように、あたしはお皿の上の料理を一気に口に放り込んだ。




きっとこれって贅沢な悩みなんだ……


もっと もっと


あたしを好きになって

あたしの事で困って

あたしの事で焦って欲しいって…



贅沢…… なのかな?