頭上から何かが降ってきた。



「きゃ・・・」





・・・え?

・・・な、なに!?




恐る恐る目を開けると、胸元にシルバーのアクセサリー。

それは、ハイビスカスをモチーフにしたものだった。



「・・・・・」



呆気にとられて、それを見つめるあたしの背後でクスリと笑う気配がした。



慌てて振り返ると、そこには慶介が口を開けたままのあたしを面白そうに眺めていた。



「プレゼント」

「え?」

「元気・・・ 出た?」



そう言ってあたしの顔を覗き込んだ慶介。



・・・知ってたの?

あたしがさっき、少しだけ落ち込んでたの。



「・・・・・・」



やっぱり・・・慶介には何でもお見通しなんだ・・・

あたしがいくら頑張って隠しても、慶介はすぐにあたしの気持ちを見抜いちゃう。




どうしよう・・・

嬉しいよ・・・




今すぐにでも、慶介に抱きつきたい。
その胸に飛び込みたいよ。



「だから。そんな目で見るなって・・・」

「・・・え」



慶介はそう言うと「行くぞ」とあたしの頭にポンと手を乗せた。


素っ気無く言った慶介。


でも、あたし見ちゃった。


顔を背けた慶介の顔・・・耳まで真っ赤だったよ?







太陽はいつの間にか傾いて、あたしは初めてのハワイでの夜を迎えようとしていた。