ネムリとの昼下がり

でもある日



彼は本気で怒った。




目に涙を溜めて

村上春樹の文庫を持つ右手に力が加わっているのもわかった。




一瞬、彼の行動を考えた。


1.私を殴る。
2.この場から立ち去る。
3.泣き喚いて叫ぶ。


やはりまだ高校生。

まだまだ子供だな

と甘く見ていると

彼は私の予想に反して何も言わずに



『そうかもね』



と冷静に言い放った。