春待光

高校1年の冬

僕はフラれた。



相手は、中学時代の同級生。
当時は仲間うちでは公認の仲だった。


彼女が遠方の高校に進学した為、少しずつ音信不通になり、『淋しいのはもう嫌』とのメールが来たのは一昨日のこと。


この恋に未来が無いのはもう随分前から解っていたし、特にへこんだりはしなかった。

身体のほんの一部に風穴を開けられたような…

それまでよりも、外を吹く風が冷たく感じる。


きっと春が来る頃には、この気持ちも治まることだろう。



学校からの帰路にある公園のベンチに腰掛け、そんな事を考えていた。




そこに現れたのが、彼女だった。