そんなこんなで水曜日がやってきた。

待ち合わせは、最初に出会ったコンビニ。

雑誌コーナーで立ち読みしていたユカちゃんが、俺の到着に気づいて笑顔で小さく手を振り店から駆け出してきた。

俺が車のドアを開ける。
「お待たせ」

彼女が乗り込む。
「ううん、全然大丈夫」

一瞬で車内がむせかえるような甘い香りで満たされる。


「すいません今日はわがままきいてもらって」


「いや、いいよ」


「それで…どこに連れてってもらえるんですか?」

そう言って彼女はまた、小動物のようなまなざしを向けるのだった。