僕は君の虜~甘め短編集~




放課後


いつもの場所で待ってる


先輩はそう言って教室を出て行く


放課後



私が向かうのはやっぱり図書室



「あ、来てくれたね」


だって先輩の笑顔に会えるから



「僕、待ちくたびれちゃったよ」


はぁ…と溜め息を吐く



「ほら、雪那ちゃんがよく読んでるホラー小説。読み終わっちゃった」


ピラリと本を前に出す



「僕、ホラー苦手なんだよ…よくこんなのが読めるね」


…先輩ホラーが嫌いなのに読んだの?


もしかして



私のため?