「なにがおかしいんですか?」



「いや、立派な執事さんだよ、あんたは。」



執事服脱いだあんたと腹割って話したいと彼は言った。



そんな彼に入浴が終わり次第にと言うと、相川さんはニヤリと笑った。








風呂から上がり、寝室へ向かうと、相川さ…樹がグラス片手に酒をあおっていた。



あまりにも様になっていたので、ボーっと見ていると、視線に気づいたのか、こちらを見た。



「お、上がったか……ってかなんだ?その色気は。俺より色気があるじゃねぇか。」



眉根を寄せ、ぶつぶつなにか言っている樹を無視し、向かい側に腰を下ろした。



「樹さん、俺にも」



グラスを差し出すと、樹は目を点にした。なぜなら、先程の固い雰囲気とは変わって、物腰柔らかくなっているからだ。



「おまえ、桐生か?」



「今は連でいいよ。それより注いでくれる?」



「あ、あぁ」



半分ほどグラスに注ぎ、じろじろとこちらを観察してくる。



「なに?」



「だって口調と雰囲気がさっきとぜんっぜん違いすぎる」