「じゃぁ俺帰るから」 「ぇ…?」 もぅ……帰っちゃうの…? やっと会えたのに…。 30分も待ったんだよ?? もっといてよ。 帰んないでよ…。 「玄関にカルピスあるから」 「じゃぁな」 まだ不機嫌なのか、声が低くて恐い。 トントン と階段を降りる音がする。 嫌…。 待って……。 「待ってっ!!」 こんなにも大胆になれるんだと少し驚いた。 アタシはそのままこっちを向いた岡田くんに飛びついた。 「な…何…?」 「う…上着……」 何も考えずに飛びつくなんてアタシの馬鹿…。