「…………何見た……」 眉間には皺ができていて、 恐くなくて、 辛そう。 「………」 目は合ってるのに、 口から 喉から 声がでない。 『岡田くんが綺麗な女の人に会ってるのを見た』 なんて言えなかった。 バレたらその女の人の所に行っちゃいそうで、 アタシから離れそうで、 聞きたくない事実を言われそうで、 見たくない事実を見させられそうで、 言えなかった。 もともと少し暗い性格だったアタシはどんどんネガティブな方向へと考えを移す。 眠る前に出きった涙が再び出てきたのがわかった。