おいてきぼりのピエロ


「ま、とりあえず加藤鷹には気ぃつけな」
「自称、ね」
「もし本当は教師やったら、停学とか、退学になったりするかもしれんやん」
「たかが屋上の鍵でー?」
「もしもの話やん。留年してるんやけん、またなんかやらかしたらそろそろ親、泣くんやない?」
「学費わたしの実費なんで、なにしようとわたしの勝手ですー」
「まあ、裕子の人生やしな。好きに生きろ」


なんだか、その言葉が喉に詰まる。
悲しいのか、嬉しいのか判らない感情がわたしの中で暴れだす。

それらを静めるために、氷で薄くなったジントニックを飲み干した。