おいてきぼりのピエロ


「てか、わたしのこと怒らないでいいんですか?」
この自称加藤鷹から、説教を言われそうな様子はない。

推定28歳。
柔らかい雰囲気で、程よく筋肉と肉がついた理想的な体型。(わたし的にだけど。)

顔は、普通。
まあ、可愛い系かな。


「そうやな、勝手に屋上入るなんてけしからんっ!」
「…はあ」
他に注意するとこあるやろ。
「…で?」
「は?」
「どうやって入ったの?!」
「えっと…」
「あれか?!漫画みたいに針金でいじくって開けたとか!」

…このおっさんは馬鹿なのだろうか。
なんだか、プレゼントを開ける子供のように眼を輝かせて聞いてくる。

「せんせー、変わってますね」
教師の前ではいい子ぶってるわたしが、つい本音を漏らしてしまった。


「まあ、せんせーやないからな」