「ごめんね、玲〜。
どうしても紹介してって言うからさぁ…。」


莉那は私が怒ってると思って、顔を覗き込んできた。
目が潤んでいたから、黙っていたことを悪いと思ったのだろう。



「いいよ。気にしないで怒ってないから。」


「ありがとう、玲。」


「はいはい。
それより、紹介してくれるんじゃないの?」


「うんっ!!
こちらは、拓海の親友の威くん!!」



この時、ちゃんと顔を見た。
あの頃と同じ、ちょっと目尻が上がっていて切れ目っぽい茶色い目。


変わったのは髪の色が茶色になったくらいかな…?



「…水城 玲(みずき れい)です。よろしく。」


「神谷 威(かみや あきら)です。よろしく。」








私はあなたのこと忘れてないよ?



あなたは忘れてしまった?



当たり前だよね…



「はじめまして」って言わなかったのに気づいてくれた…?