その湖は、村の一番奥にあった。

「これが…アピナス湖。」


「なんか雰囲気が違うよね。」


「えぇ。」


なんだろう。この嫌な予感……
絶対入ってはいけない気がする。

「………?」

「ん?どうかした?」

「いや……なんか湖の向こう側に建物みたいな影が見えた気がして。」

「ほんとっ!?」


確か父さんが言ってた。


『アーシェ。今度父さんは湖の館に行くんだ。』

『湖の館?』

『あぁ。その館はな、普段霧に囲まれていてよく見えないのだが、なぜか正午12:00ピッタリの時間には、霧が晴れその館が見えるらしいんだぞ。』



確か……

今はちょうど11:59:50だ。

50秒……





































12:00