開けてみると、中に在ったのは、いつの日かあたしが涼にねだった指輪だった。



そして鉄の塊で押し潰され、雨で見るも無惨になってしまったバースデーケーキ。


『Happy Birthday
 Dear Misa』
というチョコは何故か割れていなかった。




沢山の愛の詰まったグチャグチャの二十歳のバースデーケーキ。


食べてみるとそれはとても甘く、砂と鉄の味がした。