近所の向日葵も枯れ始めてきた。


「幸子、お前にはもううんざりなんだよ!分かるか!?」
隆夫の声が響いた。


煩い。
うんざりだ。



「これに必要事項を記入してちょうだい。」

私は全く動じない。

離婚届けなんて前々から用意してあった。

偶々、それが今日に成っただけ。


そう、それだけの事だ。

隆夫は私が既に離婚届けを用意していた事に少々困惑した表情を浮かべたが、直ぐに必要事項を記入し、無言で判を押した。




10分も経っただろうか。息つく間も無く隆夫は家を出ていった。何の一言も無しに。



半年以上前から隆夫の荷物が減って行くのに気付かない訳等無かった。

女だろう。
せいぜい幸せに暮らすがいい。