ライフ ライセンス

「先生！」

生徒の一人、高橋千絵が走って追い掛けて来た。
そして透き通った純粋そうな笑顔で


「先生、もう直きお誕生日でしたよね？パウンドケーキを焼いたので良かったら召し上がって下さい。」


と渡してくれた。

紙袋を開けると芳ばしい美味しそうな匂いが溢れ出した。



それは温かい家庭の匂いなのかもしれない。

「いつもありがとう。涼花も喜ぶと思うわ。」
出来る限り、精一杯の笑顔を作ってみる。
千絵の心づかいは本当に嬉しかった。