「美沙さん。」

振り返ると幸子さんが居た。

「健人君、早かったですねぇ。」

あたしが言うと幸子さんは泣きそうな顔をして、

「凉花ちゃんをはじめ、お友達・先生には本当に感謝しています。あのまま健人は引きこもりになってしまうと思っていたので…」

「大丈夫ですよ、幸子さん。特に健人君は元から人気者だったみたいだし。」

幸子さんを見てみると、精神的にも自立した強いシングルマザーの顔に成っていた。