男……? "はるか"って名前だったから、てっきり女だと思ってた。 「先生、宜しくお願いします」 お母さんはそう言うと、下へ降りて行った。 「君が…リサちゃん?」 「…あっ…はい…」 「部屋の中に入っていい?」 「どっ…どうぞ…」 先生が部屋の中に入って来る。 紺のスーツ。 黒縁のスタイリッシュなメガネ。 長身で細身。 色白で黒い長めの髪。 切れ長の目に高い鼻。 私は先生から目が離せなかった──。