「その子はさぁ…」 先生は手に携帯を持ったまま、真っ直ぐ前を向いて話し始める。 「出会い系で知り合ったんだ…」 「…ん」 下を向いたまま頷く。 「メールだけの関係なのに…実際に会ったことないのに、その子にハマっていったんだ…」 「…ん」 「でさぁ…実際に会ってみたら…益々好きになっちゃったんだ…どうしようもないくらい好きになっていったんだ…」 「…ん」 涙が止まらないよ…。 私の鼻水を啜る音が車内に響く。