レストランを出る時に、速水さんに「また来てね」と言われた。
先生の車に乗り込む。
エンジンをかけ、ゆっくりレストランから出る車。
「ご馳走さまでした」
私は頭をペコッと下げた。
「いいえ。どういたしまして」
先生がチラッと私を見る。
窓の外を眺める。
キラキラ光るネオン。
どこまでも続く車のテールランプ。
車がどんどん私の家に近付いて行く。
先生とは、また月曜日の夕方には会える。
だけどそれは"家庭教師"と"生徒"という立場で。
今日のようにプライベートで会えることはもうないんだろな…。
「リサちゃん?どうしたの?」
先生に話し掛けられて、我に返る。
「あっ…な、何でもないです…」
私は、先生の方を見る。
先生も私の方を見る。
目が合う。
けど、恥ずかしくて目を逸らしてしまった。



