「はぁ?聞いてないけど?」 私は、階段のとこからキッチンにいるお母さんに言った。 「だって言ってなかったもん」 おいおい…。 言ってなかったって…。 「何で勝手に決めたの?」 「あんた、来年受験でしょ?」 「そうだけど…」 「それで頼んだの」 私は、キッチンまで行く。 対面式のキッチン。 私はカウンターのとこに立った。 お母さんは、火にかけた鍋をかき混ぜている。 家庭教師を勝手に頼むのは腹立つけど…。 でも肝心なことを聞かなくちゃ。