そんなことを思い出しながら、
部屋のテーブルの上に、教科書とノートを出した。
私は、ベッドの上に置いてある携帯を取る。
『これから家庭教師だよ。土日以外は毎日だって』
と、カイにメールした。
"パタン"と携帯を閉じる。
「リサ~!先生が来られたわよ~」
下からお母さんが言う。
「は~い!」
お母さんに返事をする。
"コンコン"
部屋のドアをノックする音がした。
私は深呼吸をして、
「はい」
と、ドアに向かって言った。
ドアが開かれて、
「こんにちは」
と、笑顔で挨拶した先生は、スーツじゃなくて私服だった。



