「年は…15歳だよね?」
「はい」
「彼氏はいるの?」
「えっ?」
視線を先生の目に戻す。
私に彼氏がいると思う?
先生の掛けてるメガネは、どんな子でも可愛く見える不思議なメガネなの?
私は無言で首を左右に振った。
「じゃー…好きな人は?」
「…好きな人は…います…」
「俺と一緒だ~」
「…えっ?」
「俺も彼女はいないけど、好きな人がいるんだ」
先生は笑顔で言った。
先生の好きな人ってどんな人なんだろ…。
年齢は?何してる人?
可愛いの?美人なの?
聞きたい…。
でも聞けない…。
知らない方がいいってこともある。
聞かない方が苦しまないで済む…。
好きな人が両思いになればいいね。
私は、涙を必死に堪えていた。